2011年6月21日火曜日

天気予報よりあたる天気予報

個人的には久しぶりの投稿になりました。今日はこのサービスについてエントリーを書こうと思います。

http://weathernews.jp/

そう、「ウェザーニュース」というサービスです。(ちなみに会社名はウェザーニューです。ご注意を(笑))

日常でなじみがあるのは電車内の画面での天気予報でしょうか。また、BSにもチャンネルを設けて放送も行なっています。こちらがトレインチャンネル画面。







このサービス、「ただの天気予報サイト」ではないんです。今では非常に色々なサービスや企画があるのですが、そのうち特に興味深いものをご紹介しましょう。その名も

ゲリラ雷雨防衛隊」!!

うーむなんとも力強そうな隊ですな!

で、これはどういうサービスだと思いますか?え?「ゲリラ雷雨を瞬時にお知らせしてくれるサービス」?うーん、それは半分正解ですが、物足りない回答ですね。それだと天気予報サービスとしてはありきたり感がありますよね。

確かにゲリラ雷雨をサービスがお知らせしてくれるんですが、その情報元は実はユーザーなのです。(※ウェザーニューズでも観測ポイントなどをもって情報を出しています) こんな感じ。



更に面白いのが、このサービス、閲覧は誰でも出来ます。無料です。しかし、情報の投稿は有料なのです。これってすごく面白い状況なのに気づきますか?

今までのサービスは、情報を提供する分にはいくらでもして下さい、というスタンスで、それらの情報を取得するなら取得料を払ってください、というスタンスが一般的でした。(今もそういうサービスはいくらでもありますよね。)

でも、このサービスは、ゲリラ雷雨の情報という価値のある情報を取得するのにお金がかからず、価値のある情報を作るために情報を投稿するのにお金がかかるんです。

雨というのは意外と非常に局地的に降る事が多いものです。自分の駅では降っていなくても2つくらい先の駅では結構降ってきている、という状況もざらにあるのです。

そんなとき「東京の天気」は参考になるでしょうか。東京の中でも降っているところと降っていないところがあるわけですから、もはや参考にはならないですよね。ましてや「ゲリラ雷雨」は得てして突如、予報では言ってなかったのに降ってくるものです。

つまり、おさえておきたいゲリラ雷雨の特徴は大きく2つ。

①テレビなどの天気予報で「雨が降ります」などといわれていなかったのに突如として豪雨が局地的に降る。
②(ゲリラ雷雨に限りませんが)雨というのは実は近距離でも「降っている」地域と「降っていない」地域がある。


さて、この特徴を踏まえると、1人1人が挙げる「今自分のところでは快晴です」「自分のところでは怪しい雲で空が覆われています」「あ、うちの地域は今雨が一気に降り始めました」といった情報が非常に価値を持ちます。ごく近距離の2地点でも、片や降っていて片や降っていない、という状況があるわけですから、他の沢山の人が自分の地域の天気を情報として投稿していたとしても、自分が投稿する価値が下がるということはありません

むしろ、このような情報は、集まれば集まるほどいわゆる「穴」が抜けていき、今どのあたりで降っていてどのあたりでは降っていなくて、そして雷雨を生み出している雨雲がどれくらいの速度で動いているか、ということが正確にわかるようになります。すると、いわゆる「天気予報」では全く報じられなかった雷雨も予報することが可能になるわけです。

各人の情報1つ1つがいわば「ピース」であり、沢山情報があるから自分は挙げてももう意味がないというわけではなく集まれば集まるほど価値が高まる。まさによく言われる集合知の4要素「独立性」(人の考えに動かされない)「多様性」「分散性」(人によって意見が違う)「集約性」が全て兼ね備えられているという言い方も出来ましょう。

~~~
このような情報の価値、さらにこのサービスの他の天気予報サービスとの違いはおわかりいただけたでしょう。でも、大きな疑問が残ります。なぜユーザーは、お金を払ってまで情報を提供しようとするのでしょうか?これは非常に重要なポイントです。

というところで、非常に長くなったので、後半戦はまたエントリーをあらためることにしましょう。